水環境の重鎮・北村弘行（理学博士）さん死去

 　 北村弘行さん８５歳（きたむら・ひろゆき＝元兵庫県公害研究所第二部長）

  三月十日午前七時五分、死去。

    葬儀は十二日午後十二時、伊丹市西野２のクレリ武庫川北ホール。自宅は伊丹市中野北２の５の１０。

　喪主は長男也寸志（やすし）さん。

  昭和２年３月２８日生まれ・伊丹市

　　　　同年　神戸海洋気象台               

　昭和４１年　兵庫県公害研究所　

　昭和６１年　社団法人瀬戸内海環境保全協会

　平成１４年　同協会退職

　　　　　　　　理学博士

　平成５年　　水環境賞：環境庁

　平成８年　　瀬戸内海環境保全功労賞：瀬戸内海環境保全知事・市長会議議長

　平成２１年　水環境行政５０年記念水環境保全功労者表彰：環境大臣

　　兵庫県公害研究所第二研究部（水質担当の部）主任研究員として、県下の

　河川に対する環境基準設定のための調査や鉱山、休・廃止鉱山の重金属調査

　を担当し、各汚濁源からの排出状況を明らかにするなど、河川水質改善に貢

　献した。また、公共用水域における浄化機能に関する調査研究、発生源対策

　としての工場排水に係る調査研究の指導を行い、水質改善に貢献した。

　　さらには、兵庫県の地場産業である皮革工場からの排出水による河川汚濁

　が問題となり、その対策として、活性汚泥法や凝集沈殿法による排水処理に

　ついて研究史、活性汚泥法で処理可能であることを実証するなど、河川水質

　・低質の改善に貢献した。

　　　（水質行政５０年記念水環境功労者表彰・受賞者一覧 主な功績内容）より

　○主な研究発表等

　※23.03.26- 「海と空」第２６巻第２号　溶存酸素量より見た昭和２２年秋季に於ける

　　　　　　  東北海区の中層水について

　　　　　 　 （昭和２３年３月２６日　発表受理・神戸海洋気象台　北村弘行）

　※12.12.01- 瀬戸内海−半世紀を振り返る− ２０００年１２月 瀬戸内海第２４号　　

　　　　　　　別冊 特集１

　※16.03.01- 澪標（みおつくし）たる瀬戸内法へ

　　　　　　　生きてきた瀬戸内海 −瀬戸内法３０年−

　　　　　　  編集・発行　社団法人 瀬戸内海環境保全協会　　　　 

　※20.05.13-「海と空」（神戸気象台新庁舎移転）記念特集　第７５巻

　※20.10.10- きしょう春秋−そのときが今を決めた

　※22.07.29- 水質汚濁危機と防衛を振り返る・水環境学会誌　第３３巻　第７号

　 ○研究の出版掲載紙等

   ○博士論文

　 ・タイトル　北大西洋に分布する燐の海洋化学的研究

　・学位の種類　理学博士　（授与年月日・昭和37年2月20日）

　○随想・メモ

　※18.12.28- 大和川の苦悩・メモ

　※20.04.07- クリスタルタワーの頃

　※20.07.14- そのときが今を決めた

　※20.07.19- イタニグサ調査で樺太へ

　※20.12.27- 源氏物語千年紀から：枝葉のこと

　※21.02.07- 断想　阪神・淡路大地震　阪神大震災と空母大鳳

　※21.04.29- コモンズと里川

　※22.01.13- 石狩挽歌・樺太「遠淵湖」

　※22.03.01- 昭和史の断片

　※22.07.19- 阪急電車の思い出・阪急伊丹線